死ぬほど遠い3センチ

「甘くて苦いのが理想なの」
ここでは恋すら白く濁る
藍より青いなんて嘘
都市型劣等純情派
およぎたくば僕のところで
唇の端だけちょうだい
小指の爪と、おなじいろ
なんて穏やかな窒息
蜉蝣、翻り、冬の朝
すきとゆきが同じ温度で

どうせ抱くなら暗渠まで
あおい傷口にふれたら
きみは海底で人知れず泣く
赤信号と、君のなみだと、
檻と水槽、君が笑って
夜のしずかを語りべに
きみも知らない僕の青
鮮やかな犯行だった
その赤色に弱いんだってば
群青ポラロイド